2023年09月29日

なぜ間違ったのかを考えよう

私は学習を指導していく中で、「なぜこれではダメなのか?」「なぜ間違ってしまったのか?」と子ども達に問うことが多いです。

逆に私がわざと間違った答えを提示して、子ども達に指摘させることもあります。


これは、間違いを責めることを意図したものではなく、子ども達の思考を深めるための手立てです。

一方的な説明では飽きてしまう子でも、こうやって問いを投げかけることで、自分なりに考えを深めてくれます。


語彙が少なくても大丈夫。大切なのは自分の言葉で考えることです。考えたことを言葉にすることです。

年齢が上がるにつれて、こういった力が大切になってきます。
                            晴教室 山口

  

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2023年09月22日

"ケーキの切れない非行少年たち"から考える

宮口幸治さんという精神科医の方が書かれた『ケーキの切れない非行少年たち』という本があります。
 
これは少年院には、認知力が低く、ケーキを等分にすることができない非行少年が大勢いるという例から、人口の数パーセントはいるであろう「境界知能」の人々に焦点を当てた書物です。

 また、困っている彼らを学校、社会生活で困らないように導く実践的なメソッドも紹介されています。

私たちのように常日頃から子ども達と関わっている人であれば、一度は読んでおいて損はない作品です。

この本が奥深いのは、「非行少年=大人を舐めているから。性悪だから。」はなく、そもそも認知能力が低いために非行に走ったり犯罪に手を染めたりしてしまうと言われている点です。

例えば急に10万円が必要になったとします。通常であれは頑張って働いたり、知人からお金を借りたりします。ところが非行少年たちはその選択肢と同列に「他人から盗む」「犯罪に手を染める」といった選択肢が出てくるのだそうです。

これは認知能力が低いが故に、手軽な方法だけに目を向けてしまい、後先のことや犯罪行為を行うことで生じるでデメリットを考えることができないから。

世間一般にこういった少年たちは、非難される側なのかもしれませんが、本当は一番支援が必要な人たちかもしれません。

私たち大人の在り方を教えてくれる大事な一冊です。
                             晴教室 山口

  

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2023年09月15日

儒教の弊害とは

孔子の教え、いわゆる儒教は日本でも広く知れ渡っています。
国語の教科書にも載っているほど有名で、日本だけでなく中国や韓国にも広く伝わる尊い教えです。

ですが、この儒教には弊害もあります。

儒教には「親や教師など、目上の人を敬いなさい」という教えがあります。一見正論のように見えますが、親や教師など目上の人が尊敬できるような人ではなかったら?
毒親だったら?
権力を振りかざして好き放題する暴君だったら?

上の立場の人には都合が良いかもしれませんが、子どもや立場の低い人はたまったものではありません。

このように儒教の教えは、上の立場の人が尊敬できる人だった場合、優れた人格者だった場合という前提の上に成り立っているんです。

この令和の時代、様々な先人の教えを鵜呑みにせずに、改めていくことも必要かもしれませんね。
                                                           
                              晴教室 山口

  

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2023年09月02日

“努力ではなく脱力しなさい”

老子は「努力ではなく脱力しなさい」と言ったそうです。

若い頃は努力は何よりも重要だと思っていたし、頑張れば報われると信じていた頃もありました。でも今になって老子のこの言葉の意味が良くわかります。

一生懸命になりすぎて周りが見えなくなっても良くないし、一心不乱に取り組むことは一見良い事のように見えて、かなり身体に力が入っている状態だと思います。これでは良いパフォーマンスは発揮できません。

そして、精神を削るような努力はそのリバウンドが怖いのです。
(鬱や適応障害など)

努力そのものを否定はしませんが、
「できることをする。あとは自分を信じて、ものごとの成り行きは天に委ねよう」
 そう私は老子の言葉を解釈しています。
                                  晴教室 山口


  

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